「酒田珍道中の旅 たまにはこんなことも・・・(2)」
乗り遅れた人がいないかどうか十分に確認をし、
ようやく走りだしたバスの車内は、
「楽しみにしていた旅行が・・・」、と
みな、いちおうにガッカリしているのか、
話し声もまばらなようだ。
バスには、乗客、運転手のほか、
いちばん前の席にJRの職員も一人乗っている。
少し行くと、そのJRの職員が・・・
「○○駅、降りる方いらっしゃいますか?」と、
どうやら、「陸羽西線」の最初の駅のようだ。
(本当に全部止まるの?これは時間がかかりそうだっ?!)
その駅に着くと、その職員の方は
列車の来ない駅に、それを知らず待っている人がいないかどうが
降りしきる雨の中を、無人駅の小さな駅舎へと走っていく、
そして、誰もいないことを確認し、また、バスは走っていく。
そんなことが何回か繰り返され、
先に「最上川(もがみがわ)」が見えてきた。
本来は、この先のあたりで「舟下り」の舟に乗り込み、
船頭さんの歌声と、「最上峡」の景色に酔いしれようと思っていたのだが、
その「最上川」は、まるでテレビで見た
中国の大河のように濁っていて、
怒っているかのごとく、ものすごい勢いで流れていた。
さすがの「旅人」も、それを見て少々恐ろしくなってきた。